ミニベロ迷走記

折りたたみ自転車に乗って、輪行やポタリング。さて、どこに向かっているのやら(笑)

横須賀隧道ぶらり旅

 今日は、急に思い立って、CarryMeで横須賀方面の隧道を巡りました。横須賀も隧道が非常に多い地域で、横須賀トンネルマップに記載されている隧道だけでもかなりの数です*1。なお、「トンネル」と呼ばれるものと「隧道」と呼ばれるものがありますが、基本的には同じ意味なので、この記事では「隧道」に統一して表記します。
 まずは、京浜急行追浜駅まで輪行で移動。この駅で降りたのは初めてですが、追浜駅と(隣の)田浦駅の付近は、横須賀市でも屈指の隧道密集地帯です。

 手始めに駅の西側にある向坂隧道へ。完全な生活道路で、地元の方でなければ通らないであろう隧道。昔は素掘りだったようですが、現在は改修されて、立派な外見となっています*2

 続いて、駅の東側にある平六隧道へ。すぐ近くにある小学校の通学路として造られたようです。

 その近くの深浦隧道、追濱隧道、日向隧道の写真は割愛します。以下は、追濱隧道と日向隧道の中間にある榎木隧道。写真だと分かりにくいかもしれませんが、坑門の左に穴があり、その中に車が停まっていました。このあたりでは、防空壕くらいのサイズの横穴を車庫や物置として利用している例が散見されます。

 以下は、榎木隧道の近くにある筒井隧道。両側の傾斜を緩やかにするために路盤を掘り続けた結果、高さが7m近くもあります。

 これまた、すぐ近くにある梅田隧道。この隧道は、軍事用ではない一般道としては、横須賀市最古の隧道らしいです。隧道の手前には、立派な碑もあります。


 追浜地区には他にも興味深い隧道がありますが、全てを紹介すると長文になってしまうので、まるっと割愛。いったん国道16号に出て、田浦駅方面に南下します。田浦から横須賀は、国道16号沿いに双頭隧道が7連続することで有名ですが、最も北にある船越隧道を抜けて。。。

 後ろを振り返ると、封鎖された廃隧道(旧田浦隧道)があります。

 廃隧道と記念撮影したら、その先の(現)田浦隧道には入らずに国道16号から西に逸れて、田浦山隧道へ*3

 田浦山隧道のすぐ先の大山田隧道には入らず、左の分岐にある盛福寺管路隧道へ。旧日本海軍が飲用水輸送のために建設した五重巻煉瓦アーチの隧道で、1922(大正11)年から1928(昭和3)年までは通行できたそうです。


 盛福寺管路隧道の反対側を見るには、隣の大山田隧道を抜けて、北側の沼間隧道も抜けて、大きく回り込む必要があります*4


 因みに、盛福寺管路隧道の反対側の近くには、山中2号配水幹線1号隧道があります。柵越しに中を覗くと、階段があります*5

 その後は、再び沼間隧道を抜けて、そのまま道なりに国道16号方面へ。その途中、船越防災隧道に立ち寄ります。横須賀市には、谷戸地域が災害時に孤立するのを防ぐ「防災隧道」が5本あり、これはそのうちの1つです。そう言えば、横須賀市の内陸部では「急傾斜地崩壊危険区域」という標識を多く見かけます

 国道16号に出たら、再び船越隧道を抜けて、今度はJRの田浦駅に向かいます。田浦駅のホームは隧道に挟まれていて、一方に三連の七釜隧道、他方に二連の田浦隧道があります。入場料を払うと、これらの隧道を間近に眺めることができますが、、、今回は、橋の上にある駅の通路から眺めるだけ(笑)


 田浦駅を出たら、駅の近くにある比与宇隧道へ。かつてここには田浦駅構内からの軍事用引込み線があって、隧道の内部で弾薬の積み降ろしをしていたそうです。現在も、線路や弾薬積み降ろし場所の痕跡が残っています。



 比与宇隧道を抜け、またまた国道16号に出て、右方向にある長浦隧道を見ると、隧道の左上に何やら穴が見えます。この小さな穴は、旧長浦隧道の坑口跡らしいです。


 それから、国道16号の吉浦隧道と逸見隧道(写真割愛)を抜けたら、道なりに横須賀隧道には向かわず、南にある坂本隧道へ。この小さな隧道は、水道局が建設したものだそうです*6

 坂本隧道を反対側に抜けたら、汐入駅の方に降って、TACOS TACOSでランチ。パクチーの乗ったタコス(ビーフ、ポーク)も美味しかったですが、パンチの効いた自家製ジンジャーエールが非常に気に入りました*7。メキシカンが好きな人にはオススメです。


 食後は、よこすか海岸通りを馬堀海岸まで走ったら、走水第二隧道と走水第一隧道に寄り道。フランス人技師ヴェルニーが計画した水道管を通した隧道です。


 今回の旅のラストは、観音崎公園です。三浦半島一周や東京湾一周などで通る場所ですが、あまり中には入ったことがありません。今日も陽気な人々がBBQなどで盛り上がっていたので、少し入りにくかったですが、、、あまり一般的でなさそうな細い道から上に登って、静かな東京湾要塞の跡地を散策しました*8ラピュタ感があって、素敵な空間です。


 以下は、公園内にある封鎖された隧道。

 海の見晴らし台に向かう隧道は通行可能です。横須賀トンネルマップでは、「28サンチ砲台への隧道」と記載されています。

 これは、観音崎の浜辺の隧道。一見ごく普通の隧道に見えますが。。。

 中に入ると、見事な素掘り。何と、この隧道は、嘉永5(1852)年に掘られた江戸道らしいです。

 反対側から見ると、素掘り隧道であることが一目瞭然です。

 それはさておき、こちら側の出口付近に、何やら怪しげな痕跡があります。比与宇隧道と同様に、明らかに塞がれた横穴があります。これも、かつての軍事施設の跡なのでしょうか?*9

 横須賀にはまだまだ隧道がありますが、それはまた別の機会に巡ることにします。今日は、このあと別の用事があるので、浦賀駅から輪行で帰ります。今回の走行距離と獲得標高は、測っていません。


 
 なお、今回の旅にあたって、特に参考になったウェブサイトは、以下のとおりです。

*1:勿論、このマップに記載されている以外にも隧道が存在します。極端な例としては、マップ監修者の平沼義之氏がかつて突撃した某S隧道など。様々な意味で、絶対に入ってはいけない隧道だと思いますが。。。(苦笑)

*2:房総半島と異なり、横須賀市の隧道の大半は、改修済みです。

*3:『鉄道廃線トンネルの世界』によれば、田浦山隧道は、元々は用水路だったそうです。

*4:沼間隧道の先は、横須賀市ではなく、逗子市となります。

*5:本格的な階段というよりは、入口付近の落差を越えるためのものにも見えますが、詳細は不明です。

*6:因みに、この隧道の前後は結構な勾配で、馬頭観音もありました。

*7:タコスにパクチーを乗せるかどうかは、注文時に訊かれます。

*8:因みに、この公園は、押し歩きであれば自転車を持って入れます(入口などに明記されています)。

*9:次回は、もう少し事前に勉強してから、観音崎公園を再訪したいと思います。