ミニベロ迷走記

折りたたみ自転車に乗って、輪行やポタリング。さて、どこに向かっているのやら(笑)

CarryMeユーザーの聖地巡礼! Pacific Cycles Museumを訪問

 現在、訳あって台湾に来ています。そして、ちょっと空き時間に、これまでなかなか行けなかったPacific Cycles Museumに行ってきました。どうして「これまでなかなか行けなかった」のかというと、微妙に行きにくい立地にあったり、事前に予約が必要だったりするからです。そこで今回は、(1) どうやって予約するのか、(2) どうやって行くのか、(3) 実際に行ってみてどうだったのか、の3点について書こうと思います。

予約方法

 公式サイトの線上預約 (online researvation) のページから訪問したい日時を選ぶことができますが、その際に台湾の電話番号が必要になります。ただ、海外からの予約の場合、「台湾の電話番号」がないことも多いでしょう。かくいう私自身もそうだったので、Pacific Cyclesの問い合わせページから「台湾の電話番号を持っていないのですが、メールで◯月◯日の◯時を予約できますか?」と英語で訊いてみました。すると、すぐに以下のような返事が来て、OKとなりました。私が何通かメールでやりとりした限り、Pacific Cyclesのスタッフは非常に親切です。

We have reserved the time for you. Since we don't have Japanese speaking staff, the museum guide will be in English. Feel free to contact us if you have any question before visiting.

アクセス方法

 博物館は、台北の市内から離れていて、桃園空港の南西20kmくらいの位置にあります*1。晴れていて、自転車があれば、どこか近くの駅から自走することも可能です。しかし、雨の日だったり、自転車を持っていない場合、歩くには遠過ぎます(私が訪問した日も雨でした) どうやって行くのが一番よいのか、またメールで問い合わせたところ、以下のような親切なお返事を頂きました。

From Taipei Main Station you can take Fuxing shuttle train to Fugang or High Speed Rail to Taoyuan Station, then take a taxi to Pacific Cycles Museum (taxi fare is about NT$500-600, 30 mins).

 要は、「高鐵の桃園駅か台鐵の富岡駅からタクシーで来てください」ということです。Google Mapで位置関係を調べてみると、桃園駅から博物館は22.2kmで、富岡駅から博物館は9.5km*2。恐らくは桃園駅の方がタクシーが多いでしょうし、英語を話せる人がいる確率も高いでしょう。しかし、タクシーの運賃を考えると、富岡駅がよいと思います*3。どちらにしようか少し悩みましたが、私は富岡駅を選びました(出発の1時間前に決断/笑)
 まずは、市内のホテルからMRTで台北駅に出て、台鐵に乗り換えます。大人1人の場合は、券売機に81元(約292円)*4を入れて、「一張」と「区間」と「全票」を選んだら、行き先の「富岡」を選びます。よく分からない場合や小銭がない場合は、近くにある窓口で切符を買うことも可能です*5

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 切符を買って、改札を抜けたら、電光掲示板で次の電車が来るプラットホームを確認し、プラットホームに向かいます。プラットホームが分からない場合は、改札のところにいる駅員に訊きます。そして、各駅停車にのんびりと65分ほど揺られて、富岡駅に到着*6

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 幸い、駅前に1台タクシーがいたので、速攻で乗車。もしいなかったら、駅か駅前の飲食店で呼んでもらうことになるのでしょうか?*7 予想通りドライバーに英語が通じないので、事前に準備してきた「太平洋自行車博物館 桃園市新屋區永福路686號」と書いた紙を見せると、「OK、OK」とすぐに分かってもらえました。

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 駅から15分ほどで博物館に到着し、運賃は280元(約1008円)でした(因みに、帰りは250元) おお、これが聖地!

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 予約時間よりも少し早めに着いてしまったので、警備員に一声かけて、施設内のカフェで待たせてもらうことに。ヘーゼルナッツラテ(意外と大きい!)を飲みながら、ちょっと休憩。その間も何人かのPacificのスタッフが声をかけてくれて、親切にしてくれます。

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 カフェの片隅には自転車関連の本や雑誌が置いてあり、その中には日本の漫画(の中国語版)もありました。

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博物館見学

 定刻になると、スタッフがカフェまで迎えに来てくれました。今回は、Marketing Managerの方が案内してくださるようで、参加者は私1人です(何という贅沢!) 2人きりなので、質問し放題(笑) まずは、5分ほどのPacific Cyclesの紹介ビデオを見ます。

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 そのあとで博物館へ。最初は、Pacific Cyclesと自転車の歴史に関するコーナー。その中には、birdyの設計者とBromptonの設計者の写真もありました*8

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 次に、Pacificの自転車が数多く展示されているコーナーへ*9。ここにはかなり面白いものがたくさんあったのですが、紙面の都合上、以下は(基本的に)CarryMeの話題に限定します(おい/笑) 博物館全体の雰囲気については、こちらの動画こちらの動画をご覧ください(中国語ですが)
 とりわけ目を引くのは、このツーショット。ホイールの大きさが全然違いますが、クランク1回転で進む距離はまったく同じだそうです。

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 また、世界最高峰のヒルクライムイベントである台湾KOMのコースをCarryMeで登った人(驚愕!)や*10、CarryMeで台湾一周をした人(これもすごい)に関する情報がありました。どうして人は、CarryMeに乗ると全力を出したがるのでしょうね(苦笑)

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 それはそうと、展示されているCarryMeを見ていきましょう。日本では売っていない(ですが、FBのCarryMeページなどでよく見る)デザイン。これ、可愛いですよね。

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 Speed Drive搭載モデル。ちょっと欲しいです(笑)

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 初期のCarryMeたち。OX Engineeringから出ていたPocketも欲しいです*11。車椅子と一緒に車に積めるように開発されたという経緯も素晴らしいですよね。

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 以下は、CarryMeのプロトタイプの1つ。16インチであること以上に、巨大なチェーンリングに目を奪われます。

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 さあ、まだまだ、どんどんいきますよ! 電動CarryMe!

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 タンデムのCarryMe!!

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 折りたためないCarryMe!!! 「なんだそりゃ?」と思いましたが、身体の大きい欧米人向けに、剛性が高く、少し大きいフレームを作ってみたようです。

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 後ろが2輪のCarryAll(日本未発売モデル)*12

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 試乗コーナーにあった子供用のCarryMe。「足を広げて漕げば乗れるよ」と言われましたが、やめておきました(笑)

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 試乗コーナーでは、ReachIfに乗りました*13。これらの自転車には初めて乗りましたが、Reachが予想以上に好印象でした。アルミバイクらしく(?)、踏んだら踏んだだけスピードが出る感じ。 もしいまCarryMeしか持っていなかったら、これを増車したかも知れません。

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 以上、主にCarryMeについて書いてきましたが、1つだけ付け足したいことがあります。私がPacificを好きな理由の1つに、足で漕げない人たちのための特殊な自転車をたくさん開発・提供している点があります。実際、この博物館にも(プロトタイプも含めて)そういった自転車が数多く展示されています。個人的に、こういう素晴らしいメーカーを応援したいと思っています。

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 このあと、写真は撮っていないのですが、工場エリアの様子(主に、組み立て作業)を見学させて頂きました*14。大量に並んだbirdyやCarryMeのフレーム、フォーク、ホイール、タイヤなどは、見ていて楽しいです。また、(詳しくは書けませんが)来年リリースするかも知れないし、しないかも知れないCarryMeのニューモデルを見せてもらったり、「それは欲しい!」という現在検討中のモデルの話を聞かせてもらいました。これからもPacificの新作に注目です。
 最後は、お土産コーナーで、CarryMe関連のグッズをいくつか購入。博物館ツアーは1時間ほどですが、本当に楽しい時間を過ごすことができました。なかなか行きにくい場所にありますが、興味のある方は是非行ってみることをおすすめします。

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 なお、今回の訪問にあたって、特に参考になったウェブサイトは、以下のとおりです。

*1:詳しくは、こちらのページを参照。

*2:徒歩で最短経路を行った場合。

*3:上記のメールにあるタクシーの時間と運賃は、桃園駅から乗った場合のようです。

*4:1元=3.6円で計算した場合。

*5:過去の経験上、ある程度の英語が通じます。

*6:台北駅の改札内で弁当を買って、車内で食べることもできます。あと、トイレも車内にあります。

*7:帰りに駅まで戻ってきたときには3台いたので、少し待っていれば、タクシーが来るのかも知れません。保証はできませんが。。。

*8:ガイドさん曰く、「この頃は、birdy (bd-1) もBromptonもミズタニが販売していたら、一緒に写っているんだ」。え、そんな単純な理由なんですか?(笑)

*9:実際には、Pacificが製造した自転車やOEMの自転車以外に、BromptonやBike Fridayのような他のメーカーの自転車もあります。

*10:最後の10kmだけですが、この10kmが一番きつい区間です。

*11:100Tですよ、このマシン。

*12:写真はないのですが、工場エリア(後述)で前2輪のタイプもあって、少しだけ試乗させてもらいました。

*13:birdyには何度も試乗しているので、今回は乗らず。

*14:溶接と塗装は、別の工場でやっているようです。